今回のコラムでは、前回に引き続き、最近話題の「サステナブルな素材」について解説します。
環境や社会課題に配慮した、素材のこと
サステナブルな素材とは、環境や社会課題に配慮した持続可能な素材のことです。
「サステナブル」と聞くと”環境にやさしいイメージ”を持ちがちですが、サステナブル(sustainable)が「持続可能な」という意味であるように、環境面だけでなく社会・経済においても配慮が施された素材と定義することができます。
具体的なサステナブル素材の種類を知ろう! ②
前回のコラムでは、オーガニックコットン・バイオマス素材・再生セルロース繊維をサステナブルな素材の例として紹介しました。
ほかにはどのような種類があるのでしょうか。
4.リサイクル素材
「リサイクル素材」とは捨てられる予定だったものを、再生素材として新たに有効活用したものです。
廃棄されるはずであったペットボトルなどの「ポリエステル製品」がおもな原料ですが、そもそもペットボトルは、衣類を作る際によく使われるポリエステル繊維とほぼ同じ原料から作られています。そのため、「リサイクル素材」の原料として活躍しています。
たとえば、普段から私たちが多く目にする「リサイクルポリエステル」も、このリサイクル素材の1つです。耐久性に優れていることから、Tシャツやジャージ、また学生服など多様な製品に生まれ変わっています。
5.アニマルフリー素材
「アニマルフリー素材」は非動物性の素材です。
本物の動物の革や毛皮(リアルファー)の代わりに、手触りや見た目がそっくりの「フェイクファー」を使ったり、植物から作られた「ヴィーガンレザー」を選択したりするブランドが増えつつあります。
また商品の開発時に、動物実験や殺傷をおこなわないことを「クルエルティーフリー」といいますが、これは主に化粧品・スキンケアなどのブランドで積極的に取り組まれています。
6.無水染色素材
「無水染色素材」は、二酸化炭素を使用して染め上げられた素材です。
通常の繊維の染色作業には大量の水が必要であり、薬品をはじめとする化学物質が排水されることなどから、ファッション業界における課題の1つと指摘されています。
しかし水の代わりに二酸化炭素を使うと、界面活性剤などの使用が避けられるだけでなく廃水が流れ出ることもないため、環境負荷への軽減に繋がります。
7.フェアトレードの素材
「フェアトレード」とは、原料や製品を作った人々の労働に見合った価格のもと取引される貿易・パートナーシップのことです。
たとえばコットンはアジアの複数の発展途上国で生産・輸出がなされていますが、他国との取引においては先進国の方が有利となるケースが見受けられ、実際の生産者には妥当な賃金が払われない悲惨な状況が問題となっています。
こうした背景を受け、世界中で取り組まれている「フェアトレード」がなされた素材を「フェアトレード素材」といい、サステナブルな素材の1つといえます。
さいごに
今回は、話題の「サステナブルな素材」について解説しました。
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このコラムは、サステナビリティ ハブ編集部の協力のもと作成しております。「サステナビリティ ハブ」では、SDGsにまつわる基礎知識から、プロフェッショナルなコンテンツまで幅広く発信しています。ぜひご覧ください。
参考記事:注目のサステナブル素材とは?種類や特徴・ナイキなどの商品も紹介|サステナビリティハブ (sustainability-hub.jp)